有り難き標準
デジタルはフォーサーズしか持っていなかった頃から、標準大口径はずっと悩ましい課題でした。
もはや懐かしい愚痴ですが、フォーサーズには50mm F1.4に相当するレンズがありません。EOS 5D2にOM 50mm F1.8をつけるのも良いのですが、今の生活でこの大きさを持ち歩く気にはなりません。OMと50mm F1.8のサイズ感で軽快に扱える標準レンズを、という欲求はミラーレスが登場して以来かなり現実的な物になっていました。
とはいえNEXはなんか違うんですよね。SONYの先進的なデザインは信者レベルですが、ことカメラになると非常に保守的な態度になってしまいます。というより、単に大きなグリップが嫌いなのかもしれませんが。
マイクロフォーサーズは換算2倍というフォーサーズ時代の苦労が思い出されます。現行レンズのラインナップも非常に魅力的で使ってみたいのですが、やっぱりオリンパスからは25mm F1.4が登場しません。ライカ銘の大口径は個人的にボケ味が苦手です。
そんな中候補に挙げていたのが、Voigtlander Nokton Classic 35mm F1.4。APS-Cサイズのミラーレスで標準となり、サイズも外観も、ボケ味もかなり好みです。
というわけで、NEXじゃない方のAPS-Cサイズミラーレスであるところの(なんて書き方をするといろんなところから怒られそうですが)EOS Mの発売を待って一緒に購入。発売から一月ほどで宮本製作所(RAYQUAL)からマウントアダプタも発売され、数年越しの標準欲が居場所を見つけた次第となったのです。
レンジファインダー用レンズゆえに寄れない(最短0.7m)のはとにかく、実写の感触は「大正解」という感じ。かっちりとしたデジタル用レンズとは異なり、大口径らしいふわりとした雰囲気を楽しめます。ふわりといってもピントが来ない感じはなく、むしろ撮影時には拡大しなくても山が掴めるほどピントの合った部分が引き立っている感じです。
EOS Mの王道なデザインはどんなレンズでも似合う気がして、まさにこんなカメラを待っていたというところです。手のひらに包み込めるなだらかな曲面でつながれたデザイン、一眼レフと同じ感触の素材と塗装。飛び道具もなくただレンズを通した光を受け入れる道具として在る姿を見ていると、マイクロフォーサーズ規格発表時に思い描いたボディこそ、このようなプレーンなものだったということを思い出しました。
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あ〜ぁ、とうとうやっちゃったね(爆
これで更に、というか、腰まで沼に浸かったのでは?
私は今、フィルムがメインになって、F100とNew FM2ばかり使っています。
レンズはULTRON40/2にTokina235、Micro-NIKKOR60/2.8です。
標準は40mmになってしまいましたが、私にはどうもこの画角がフィットするようです。
気づいたら、35〜40mmの画角をカバーする機材ばかりが増えてしまいました(汗
おはようございます。
カメラはこうこられましたか...
しかし、当り前だったものが「有り難く」なる時がくるとは...
写真とかカメラとは、当り前の環境がなくなると、なかなか成り立たないというのが私の諦観です。
かくして、デジタルとは先方のお仕着せだけに付き合って行くこととしました。
Re;KUZU
沼には昔から首まで「漬かって」ますよーw
同じマウント・焦点距離で複数、まで行くとやばいですが、まだそこまでは。
逆にマウントが増える傾向にあります・・・
Nikonマウントもいろいろなレンズが使えますよね。40mmは確かに使いやすくて良いですね。
僕はこの前まで28mmが標準だったりしましたが、最近は50mmが多くて。撮るモノによるのかもしれません。
Re;yy2828yy
最近はどこが拵えたものか、気にならなくなりました。彫られているロゴが同じでも、作るモノは良くにも悪くにも変遷する・・・。ここ数年で私が得た感触です。
その時代に使えるモノを使っていく、一時代を経れば色褪せる・・・ある種の諸行無常なのがデジタルの世界なのだと思います。
新しいキットの導入、おめでとうございます。
このレンズとの組み合わせは良いですね。
ひと組、持っていたいです(^^;
EOS-Mの評判にあまり良いものを聞かないのですが、タイミングが合えば、私的にはNEXでなくてコッチでも良かったかと思っていました。ただし、アダプター経由MFレンズの母艦としてです。
(NEXは若干汎用性が広くてイタイ目に、、、)
手のひらに収まるサイズと無理と無駄の少ない基本形、思いのほかしっかりとした剛性、そして意外に静かなシャッターが好印象です。
シャッター周りのリングがコマンドダイヤルだったら尚、、、。
Re;M2pict
この組み合わせ、大きさも重量比もしっくり来るので、本当に標準のこれだけで完結するんですよね。
ただやっぱり寄れないのがネックなので、ヘリコイド付きアダプターの発売を今か今かと待っているのですが・・・
(NEXにはもう発売されていてうらやましいのです)
AFはとにかく、MFのしやすさはなかなかですよ。F2.8までの被写界深度なら拡大しなくてもピントのピークがくっきり見えるあたり、スクリーンが素通しに近い最近のOVFよりよく当たる気がします。
シャッター周り、確かにほとんど触らないのがもったいないですw
EOSのシャッターボタンまわりってKissに至っても一等地扱いで独立してたのに、今回リングついたのが残念です。
操作性はタッチパネルの出来が良くって、XZ-1を使っているときについ画面を触りそうに・・・w